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2022年度 フライブルク音楽大学/ドイツ 森田 拓夢

学部
大学院美術研究科 音楽学部・大学院音楽研究科

年度
2022

氏名/専攻
森田 拓夢/作曲・指揮専攻(作曲)

プロフィール

学年 修士課程2回生
留学先 フライブルク音楽大学(Hochschule für Musik Freiburg)/ドイツ
留学先専攻 Composition
留学期間 2022年9月~2023年2月

留学行動記録

9月28日 日本出国
9月29日 フランクフルト到着/ホテルに滞在
10月1日フライブルク到着/入寮
10月4日 冬学期開始・オリエンテーション/先生との初レッスン
10月5日~ 授業スタート 
・およそ週一回のレッスンとゼミ・電子音楽の授業
11月5~18日コンクールのリハーサルに立ち会うため一時帰国
11月19日 フライブルクに戻る
1月18日自作「Cutting」の初演
2月3日自作「Zapping Shower」の初演
2月4~6日 旅行(フランス)
2月9~14日旅行(スイス・イタリア)
2月19~23日旅行(オーストリア・チェコ)
2月27日フランクフルト空港出発/28日日本帰国

授業や制作について

○レッスンについて
だいたい週に一回のレッスンを受けています。定期レッスンではなく、レッスンの終わりに次のレッスンを予約するかたちです。日本で教わっていたことと同じような方向性のアドバイスをいただくこともあれば、全く違う価値観を提示してくださることもあるので、混乱しつつ楽しんでいます。レッスンは全て英語で行ってもらっています。

○授業について
私は門下の先生のゼミと、電子音楽の授業を受講しています。ゼミはレッスン同様不定期開催で、電子音楽の授業は定期開催です。履修登録のようなものはなく、学期の終わりに先生にサインをいただくかたちです。ゼミはドイツ語(同じ専攻の友人に英語に翻訳してもらっています)で、電子音楽の授業は英語とドイツ語混合です。ウクライナのキーウからの学生を受け入れているため、ドイツ語があまり得意でない私のような学生が例年より多いそうで、そのため英語を使うクラスもあるみたいです。

・1月18日に、フライブルクを拠点に活動するアンサンブル・ルシェルシュとの共同プロジェクトとして学内で演奏会がありました。私の作品も、フライブルク音楽大学の生徒とアンサンブル・ルシェルシュの合同アンサンブルで演奏していただきました。リハーサルは90分x3回、GPありとしっかりしたもので、とても勉強になりました。
・2月3日に、作曲専攻生の中で希望者による演奏会があったので、こちらでもまた別の作品を演奏していただきました。この作品にはエレクトロニクスが必要だったのですが、電子音楽研究科の先生や学生が協力してくださって、機材の貸し出しやセッティングまで行ってくれました。

現地での生活について

○食生活
チーズとハムとパンとビールがおいしいです。野菜もキャベツやなす・青梗菜は日本と同じような味です。海鮮系が冷凍以外はほとんどないので、海鮮系を食べたくなったら缶詰の魚を食べています。ジャポニカ米が普通のスーパーで売られています(milchreisというものを炊いています)。日清や味の素ががんばっていて、カップ麺やカップ焼きそばは日本のものが買えることがあります。人気なのですぐ売り切れます。

○寮
私が住んでいる寮は1フロアに15人が住んでいます。シャワールームが2つ、お手洗いが男女ひとつずつです。キッチンは2台、オーブンも2台あります。そのうちフライブルク音大の学生は4人で、その他はワーホリで来てる人、語学学校に通っている人など様々です。話は基本ドイツ語か英語で行われています。国籍も様々なので、色々な訛りが混在していておもしろいです。金曜の晩と土曜の晩にだいたいどこかのフロアでパーティが開催されています。激しい重低音を味わいながら床に就くことになります。耳栓をもってきていてよかったです。

○気候
日本より5~10度ほど寒いです。10月は日差しが暖かく、20度を超えるような日もありましたが、11月半ばを超えると急に寒さが厳しくなり、12月は毎日0度周辺をうろついています。外出する時はヒートテックとユニクロのウルトラライトダウン・シャツ・コート、そしてマフラーという服装でなんとか過ごせています。ヒートテックが無ければおそらく寒すぎて外出できていませんでした。ドイツの暖房システムはとても優秀で室内はとても暖かく、シャツ一枚でも普通に過ごせるような施設も少なくないです。冬の日照時間はとても短いです。特に12月は天候もあまり良くなく、太陽が出た際にはすぐ日光浴や散歩にいくようにしていました。ビタミンDのサプリメントを持ってきたのは正解だったと思っています。

〇治安

フライブルクの治安はいいです。身の危険を感じたことはありません。フランクフル
ト中央駅周辺は少し気を付けて歩く必要がありました。

〇その他

・日が短く太陽が見えることも少ないので、気分が落ち込みがちになります。ビタミンDは必須だと思います。外に出るのもおっくうになるほど寒いときもありますが、人に食事やパーティに誘われたら必ず参加した方が精神的にも良いです。
・連絡がすぐ帰ってくることはまずありません。何度もメールするか、直接出向くのが良いです。
・私は最初から最後まで英語で生活をしましたが、ドイツ語が喋れる方がコミュニケーションも円滑ですし、より充実した生活ができると思います。また皆が英語を喋れるわけではありませんでした。市役所では基本英語でやりとりができましたが、スーパーやパン屋、肉屋ではドイツ語が必要でした。

語学について

時間もあまりなかったため日本ではドイツ語を全く勉強せず、英語だけ勉強していきました。語学の授業は全てドイツ語で行われるので残念ながら全く理解できていません。ドイツ語を英語に訳してもらったり、周りの友人たちに頼りきりで生活しています。ありがたいです。こちらで過ごしていると何となく会話の流れなどにはついていけるようになりますし、短い受け答えなどはできるようになりますが、できれば日本でドイツ語を勉強しておくべきだったと反省しています。その方がより楽しめると思います。

留学を終えての感想

フライブルク音楽大学はとても国際的な雰囲気の大学で、特に作曲専攻には様々なバックグラウンドの学生が在籍していました。書く音楽の方向性が全く違うクラスメイトと話すことで、自分の音楽に対する姿勢を少し客観的に相対化して見ることができるようになった気がします。そうすることで、自分が今まで拘っていた様々なことから自由になれたような気もしています。また、音楽以外においても、自分がいかに日本の歴史や政治・文化について知らないかを実感することになりました。自分の歴史や政治・文化について自分のスタンスを自分の言葉で語れるようにすることは、バックグラウンドが異なる他者とコミュニケーションをとるときの鎧であり時に剣にもなると強く感じました。日本について日本以外の国籍の友人が語る時に、それがネガティブなものであってもポジティブなものであっても、それについて知識がないと何も反応できませんでした。日本にいながら西洋音楽の作曲をする上で、日本的なものは無意識に避けていたことにも気づくことができ、これからは母国の歴史や政治・文化についてより積極的に学んでいこうと思っています。

2022年度 フライブルク音楽大学/ドイツ 森田 拓夢

学部
大学院美術研究科 音楽学部・大学院音楽研究科

年度
2022

氏名/専攻
森田 拓夢/作曲・指揮専攻(作曲)

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