2016年度 シドニー芸術大学/オーストラリア 本山 ゆかり
学部
大学院美術研究科
美術学部・大学院美術研究科
年度
2016
氏名/専攻
本山 ゆかり/油画
プロフィール
学年 美術研究科修士課程2回生
専攻等 油画
留学先 シドニー芸術大学(Sydney College of Arts)/オーストラリア
留学先専攻 Master of Contemporary Art
留学期間 2016年7月12日〜11月29日
留学行動記録
7月12日 | 日本出国 |
7月13日 | シドニー到着・ユースホステルに滞在・シェアハウスの見学と契約 |
7月15日 | シェアハウスへ引っ越し |
7月18日 | メインキャンパスにて合同オリエンテーション |
7月29日~ | 授業開始 |
8月4日 | 図書館についてのオリエンテーション,学生証受け取り |
8月11日,12日 | ゼミ/担当教員との面談 |
8月17日 | SCA移転阻止の為のメインキャンパスでのデモに参加 |
9月7日 | 芸術学部キャンパスにて行われていた,移転反対の生徒たちによる事務所の占拠・立て籠もりの内部に入れてもらい,話を聞く。 |
9月26日~30日 | メルボルン旅行 |
10月24日 | ゼミ/10分間最終プレゼン |
10月26日 | 芸術学部キャンパスで友人の展示オープニング |
10月27日 | ゼミ最終日・フェアウェルパーティー(送別会) |
10月29日 | シドニー大学全体の留学生とフェアウェルパーティー |
11月1日 | 指導教員(本学)による紹介の教員と最後の面談 |
11月3日 | 写真の授業/最終審査 |
11月9日 | 陶磁器の授業/最終課題提出/担当教員と最終面談 |
11月16日~20日 | ダーウィン・カカドゥへ旅行 |
11月25日 | シェアハウスを退居 |
11月29日 | 帰国 |
渡航~オリエンテーションまで
到着からシドニー大学での最初のオリエンテーションまでは5日間ほどありました。到着してすぐは3日ほどの間Central stationにあるユースホステルに泊まっていました。まず日本大使館にオンラインで在留届を出しました。とても簡単です。それから事前に目をつけて連絡していたシェアハウスに見学に行き,入居を決めました。オリエンテーション当日は,特に何も必要なものはなかったです。オリエンテーションではプリントアウトされた資料は一切配布されず不安でしたが,翌日に会場で使用されたスライドのデータが送られてきたので,内容を確認できて安心しました。
授業や制作について
授業はClay(週1/陶磁器の工房),Image/Object(週1/撮影スタジオ),Critical contexts (週2/スタジオ)の三つをとっていました。そのうちのCritical contextsでは,スタジオを割り当ててもらい,大きな部屋を11人で使っていました。生徒は全員院生で,専攻は様々です。毎週月曜日にテーマに沿った簡単な発表や議論をします。少人数で,スタジオスペースも広いので快適です。クラスメイトの作品や展覧会についての批評や自作についてのテキストなど,文章を書く機会が何度かあったのですが,全てBlack boardという大学のweb上の掲示板のようなものに投稿する形式で利用できるツールがあり便利でした。このセメスターの間に担当教員との面談が4回,super adviserとの面談が3回あります。最終的に10分間のプレゼンを行いました。
現地の暮らし・語学について
芸術学部の授業には同じシドニー大学の芸術学部以外からも沢山の学生が来ており,美術以外の分野を学ぶ学生と交流できることが新鮮で面白いです。これはこの大学の大きな特徴だと思います。特に今は芸術学部のシドニー大学メインキャンパスへの移転に対するデモ活動等が盛んに行われているので,それについての話を芸術学部の生徒以外からも聞くことができました。
シドニーの街はとても健康に見えます。大きな木と公園,元気な芝生がどこにでもあって,大人も子供もそのような場所が生活の一部に組み込まれているようでした。そういう環境でぼんやりとするのも贅沢で素晴らしい時間でした。
語学に関しては,普段いかに日本語の曖昧な表現でやり過ごしているかに気付かされました。英語に対して昔から恐怖心を抱いていたのですが,話せないことを受け入れて緊張をほぐす練習をしたら,自分と言葉の関係は良くなっていきました。 誰にでも口癖や独特の言い回しがあって,そういうのを聞くと英語だって血の通ったものだなと身近に感じました。
留学を終えての感想
この留学では,一番経験したかった「ものを作るということを純粋に楽しむ」ことができたように思います。新しい素材との出会い,そして周りの人々がそれぞれ違う興味をもって行動していたので,自分は自分で焦ることなくじっくり素材との関係に向き合うことが出来ました。それにシドニー大学芸術学部には幅広い年齢層の人たちやお子さんのいる人がたくさんいます。そういう人たちと一緒にいると,制作と生活距離がそれぞれ違うということを改めて感じました。留学の中で,自分の良いと思う感覚を信じて描いたり作ったりしたものを様々な国籍や文化の異なる人々に見てもらい,国を超えても同じ感覚を共有できることに気付きました。環境が変わり作品の見た目が変わっても,自分の中に変わらない感覚や大切にしたいと思っていることを忘れずに,今後も制作を続けていきたいです。