2017年度 ロイヤル・カレッジ・オブ・アート/イギリス 水無瀬 翔
学部
大学院美術研究科
美術学部・大学院美術研究科
年度
2017
氏名/専攻
水無瀬 翔/メディア・アート
プロフィール
学年 博士課程3回生
留学先 ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(Royal College of Art)/イギリス
留学先専攻 リサーチ・プログラム
留学期間 2017年9月13日~12月15日
留学行動記録
9月12日 | 日本出国 |
9月13日 | ロンドン到着/サブレット※で借りた部屋に滞在 ※サブレット=家主が旅行や留学などで一定期間部屋を空ける際に,家具等を置いたまま期間限定で他の人に貸す制度 |
9月1日〜10月6日 | アパート探し |
9月18日 | 大学訪問・担当者と会う/登録手続き |
9月25日 | イントロダクション |
9月27日 | 授業スタート ・Research Methods Course 毎週水曜日午前 ・Entanglement (Research Programme) 毎週水曜日午後 ・the Radical Matter(MA Programme)毎週火曜日午後 |
10月17日 | チューターとの面談 |
10月23日 | チューターとの面談 |
12月11日〜15日 | 交換留学生展/秋学期終了 |
12月19日 | アパートを引き払う |
12月19日 ロンドン出発/20日 日本帰国 |
渡航〜オリエンテーションまで
9月13日(火)に到着。Research Studentは登録手続きが12日だったため,別途,9月18日(月)にRCAの留学担当者に会い,学生IDカードを発行してもらいました。同日,Research Programmeのスタッフにバタシーキャンパスを案内してもらいました。
授業や制作について
Research Programmeは週一でRMC (Research Methods Course) という論文のための授業と,6つあるうちの1つのResearch Groupに所属し,そのセッションが週一で行われるのみです。RMCは内容的にも期間的にも交換留学向けではありません。Research Studentには決まったスタジオも割り当てられません。こうした事情もあって,交渉を重ねて,10月下旬にようやくスタジオスペースを修士学生の場所に取得することができました(しかし自分のIDカードで入ることができない状況がしばらく続きました)。Research Programmeは制作活動がメインというより学位取得のための研究がメインという印象です。こうした制作環境の問題も含めて,制作環境を整えるためにほとんどの時間を費やしており,制作はまったくできませんでした。
セメスターの中盤からはPhD(博士課程)とMA(修士課程)のプログラム(セミナー)に参加しました。先生は両方ともジョニー・ゴールディング教授というポスト・フェミニズムの哲学者です。Entanglement(PhDのグループ)では,未邦訳のカレン・バラードの著書を中心に据えたセミナーで,the Radical Matter(MAのグループ)では,フーコーやバタイユ,キルケゴールなどの倫理思想の基本的概念を学ぶことで,各自の芸術実践の理論的側面のアップデートを目指すセミナーでした。
授業やプロジェクトの成果発表等
京都市立芸術大学からの交換留学生による展覧会がありました。しかし展示会場のダブルブッキング発覚や機材貸出関係のトラブルに見舞われ,その対応に時間がかかったこと,予定していた会場から別の会場にオープニングの5日前に変更になるなど,予定していたプランが崩れてしまい,満足の行く展示ができなかったことが悔やまれます。
語学について
語学の授業EAP(English for Academic Purposes)に申し込みましたが,定員オーバーで受講することができませんでした。代わりに自習用テキストを購入し,主に文法の勉強をしていました。ロンドンでは色々なアクセントで英語が話されています。言語そのものの発音を理解するのは難しく,例えば店員とのやりとりの際などは,聞かれるフレーズがだいたい決まっているので,それらが想定できるようになると,英語が聞き取れるようになりました。授業でも同様に,話されているトピックが自分の知っているものだと聞き取ることができます。それは日本語の場合でも同じだと思います。
留学を終えての感想
ロンドンでは非常に多くの人種が生活しており,アジア人への蔑視を感じることはありませんでした(生活においてのみですが)。またロボットのデモ行進を街頭撮影したものを成果作品としたのですが,日本でも同様の作品を制作した時とは行き交う人々の反応が非常に異なり,面白く,作品にとってはプラスに働く要素が多かったです。また実際にロンドンでデモ行進をしてみると,多様な人種の一つとしてロボットがいるような感じもしましたし,しかし他方で,一見するとロンドンは多様性が確保されているように見えるけれども,それが偏ったものであるようにも見えました。