2017年度 ミラノ工科大学 (Politecnico de Milan)/イタリア 中谷 太一
学部
大学院美術研究科
美術学部・大学院美術研究科
年度
2017
氏名/専攻
中谷 太一/プロダクト・デザイン
プロフィール
学年 美術研究科 修士2回生
留学先 ミラノ工科大学 (Politecnico de Milan)/イタリア
留学先専攻 Integrated Product Design
留学期間 2017年8月24日〜2018年1月15日
留学行動記録
8月24日 | 日本出国 |
8月25日〜9月4日 | 旅(カンボジア・タイ・イギリス) |
9月4日 | ミラノ到着/アパートに移動 |
9月10日 | 大学訪問 |
9月11日 | ウェルカムウィーク/授業登録 |
9月15日 | 9月15日 授業スタート 授業内容 月 Design Narrative 火 Business Innovation 水 Design Development Studio 木 Strategic And Service Design (金,土 は学内での自主グループワーク,議論や制作など) |
10月14、15日 | 旅行(スペイン) |
11月10日 | 中間プレゼンテーション |
12月18~22日 | 年末最終プレゼンテーション |
1月10日 | 授業終了 |
1月12、13日 | 旅行(フランス スペイン) |
1月14日 | アパートの引き払い |
1月15日 | ミラノ出発 |
1月16日 | 日本帰国 |
授業について
授業は基本的に英語で話され,グループワークによる作業が主になります。ミラノ工科大では教室以外でも作業スペースがほぼ毎日学生で埋まっています。それはグループワークを重要としており活動的な学生が多いためと考えられます。世界中から学生が集まって議論するため,講義を通してこれまで全く持っていなかった感覚,ものの捉え方,世の中を見渡す視野が広がりました。
最終発表までにいくつか発表の機会があり,その回数を重ねる毎に内容をグループでブラッシュアップしながらより良いものを作っていきます。講義後の時間や,休日の夜まで当たり前のようにミーティングを行う事もありました。具体的な授業の内容は以下のとおりです。
Design Development Studio
産学連携プロジェクトで,スイスと中国のメーカーとコラボして製品提案を行いました。授業は毎週,朝から夕方まであります。
各専門の教員に現状の報告・相談をすれば,より早く反応をいただけるため改善点がすぐに見つかり,より良いプロダクトのイメージが得られるなど充実した時間を過ごすことができました。個人的にはスイスメーカーの方にスケッチを褒められたこと,中国メーカーの方にフォルムにこだわったライスストック(米びつ)を褒められた事は自信に繋がりました。
Strategic And Service Design
最新のデザインビジネス理論を学んだのち,ACTION AIDという慈善団体の寄付金をミレニアル世代をターゲットとして効率良く日常生活に馴染む形で集める戦略を考えるという授業です。グループで議論を深めACTION AIDへ向けて最終プレゼンテーションを行いました。私たちのグループはスーパーのレジに売ってあるポイントチャージできるカードに目をつけてACTION CARDと名付けたカードを購入し,スマホ決済で寄付ができるシステムを考案しました。
Business Innovation
10のグループが各々関心のある社会問題を抽出し,その解決方法を提案する授業です。私たちはファストファッションをテーマに低賃金で働く労働者をいかに減らせるかについて考え提案しました。
Design Narrative
学生の宗教観について話したり,多国籍のグループで食文化を混ぜ合わせた料理を作って発表したりしました。ほかにも美術館見学,イタリアの有名スーパーのブランディング展示,最新のユーザー体験ができるスマホショップなどに足を運んで様々な視点からデザインやアートなど多角的に学びました。
現地の暮らし・語学について
語学に関してですが英語はビジネスやデザインの議論中心なので日常会話能力に加えて,専門的な単語が多く登場するため,はじめは覚えるのに必死でした。イタリア語は主に街中での買い物などの実践を通して積極的に話すように心がけました。学内での英語と外出時でのイタリア語と滞在部屋での日本語を使い分けていたので大変でしたが,言葉の違いだけではなく生活習慣の違いを沢山発見できる良い機会となりました。
留学を終えての感想
プロダクト・デザインのみならず,アート,ファッション,建築,グラフィック,ビジネス,言語,食,文化,伝統,宗教,人など幅広く学べる期間でした。日本を多角的に見るためにも海外で学ぶことは大変有意義だと思います。また,自分から積極的にさまざまな人へ声をかけることで,高い志を持つ友達に出会え,刺激をもらう事が出来て良かったです。これからプロダクト・デザインの領域に留まることなく,ブランディングやビジネスの視点など幅広い領域に関心を持ちながら自分なりのデザインを生み出していきたいです。最後に,留学を通して周りの方々に支えられている事を学びました。まだまだ支えられている側ですが,感謝の気持ちを忘れず,次は支える事ができる人間になれるよう努力したいです。留学の機会を頂き,心から感謝いたします。