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2017年度 国立高等装飾美術学校(ENSAD)/フランス 吉浦 眞琴

学部
大学院美術研究科 美術学部・大学院美術研究科

年度
2017

氏名/専攻
吉浦 眞琴/版画

プロフィール

学年 修士課程1回生
留学先 国立高等装飾美術学校(École Nationale Supérieure des Arts Décoratifs)
留学先専攻 Image Imprimée
留学期間 2017年9月1日~2018年1月16日

留学行動記録

9月1日フランス到着/ホテル滞在
9月3日ホームステイを開始
9月5日語学学校の見学
9月7~9日 ドイツ旅行
9月11~29日 語学学校
9月13~14日 オリエンテーションの日程と,学内アカウントについてのメールが届く
9月28日学生証を受け取る
10月2~3日 オリエンテーション,各スタジオの説明会,学内見学に参加する
10月4日専攻と学年別に授業内容説明会/語学のレベルチェックテストを受ける
10月5日授業開始/名前,メールアドレスを用紙に記入することで履修登録になる
11月20日~22日 ロンドン旅行
11月28日Image Impriméeの授業でアングレーム,ボローニャ公募展作品を提出する
12月23日冬休み開始
12月25日~29日 スペイン・バルセロナ旅行
1月8日授業再開
1月11日photostudio Image Imprimée workshopの授業で合評/作品を最終提出して
授業終了
1月15日パリ・シャルルドゴール空港(CCD)出発
1月16日日本到着

授業について

Image Imprimée (illustration) (3年生の授業)

■9~10月
ポートレイト制作 技法:セルグラフィー(シルクスクリーン)
 1週目はテーマ決め,2週目は製版,3週目に刷り,仕上げという流れで授業が行われます。ペアになりお互いを描いたものを製版し40枚刷ります。クラスの全員分をまとめて製本し,ポートレイト集を作ります。紙やセルグラフィー用のインクは支給されます。ペン,筆などは持参します。製版はトレーシングペーパーに黒のペン(絵の具,インク)で描画します。インクやペンの濃度が薄く,光が通ってしまうと製版に失敗してしまうので絵の具などが推奨されていました。黒い紙をちぎってイメージを作っている人もいました。

■10~11月
ボローニャ国際絵本原画展,アングレーム国際漫画祭のための作品制作(技法自由)
 授業時間内に指導教員に自分の作品のコンセプトと物語について説明し,アドバイスを受けます。ボローニャ国際絵本原画展はサイズ自由で5枚,アングレーム国際漫画祭はA3を3枚提出します。提出の際に応募書類とポートフォリオの提出が必要でした。クラスメイトは,今までの作品をA5の冊子にホチキスでとめた簡易なポートフォリオをつけていました。

■12月中
 3週に渡りヒエロニムス・ボスの「快楽の庭」をテーマに30cm×50cmのセルグラフィーを制作しました。クラス全員のセルグラフィーを繋げて一枚の大きな絵にするために隣り合う人と相談しながら制作を進めていきました。セルグラフィーの技法は3色をプラスティックのシートをマスクに用い1版で刷るものでした。

Gravure:銅版画,初級の授業。3つのイメージを3つの技法(ドライポイント,アクアチント,エッチング)で制作します。まず,自分の作りたいイメージをもとに,テクニシャンと呼ばれる技術指導のスタッフにどの技法を選択するか相談します。小さな銅版がもらえますが,ニードルや筆,グランドを入れる小瓶などは初回から用意が必要です。課題は3つ出されました。まずは「forê(森)」をテーマに20×20cmの紙に3つの異なる技法で作られたイメージを配置して刷るというものです。そして前半で用いた技法での製作と,テーマなしの自由制作です。

Peinture:ヌードモデルを描く授業です。顔料がアトリエに置いてあるので必要な分を取りオイルと混ぜて,粘度や色を調整しながら使います。またアトリエには卵もあり,オイル以外での描画も可能です。キャンバスの張り方や,処理の仕方など全て丁寧に教えてもらえます。紙は支給されますが,パレット,油壺,筆は持参します。指導教員からアドバイスを受けながら,描き進めていきます。授業の後半から最終課題用の50号の木枠が配られ,最後はそのキャンバスに絵を仕上げていきます。

Photo:授業内で設定されたテーマが4つありました(plun codre/la plau du le auteur/le tamps de position/plau luspectacle)。スライドで参考作品を見せてもらえます。テーマを意識しながら撮影を行い,現像します。現像の仕方も全て教えてもらえます。フィルムカメラは教員の許可をもらうことで借りることができます。その際,フィルムは1つ支給されますがさらに撮影をしたい場合は学校の近くにあるお店でフィルムを購入することができます。また,スタジオは週1回の授業と,その他の時間は申請不要で使うことができます。

留学を終えての感想

 4ヶ月間フランスで生活をする中で,日本との文化や価値観の違いをとても感じました。フランスではお店や学校,交通機関などのルールがゆったりと決まっていて,時と場合によって変わります。日本では細かくマニュアルやルールがあり,それに当てはまらない場合,取り合って貰えないこともありますが,フランスはその場その場できちんと自分の意見を言うことで対応してもらえることが多かったです。フランスで生活をして感じたことは,フランスの人は普段から話し合いをしていて,何かをしてもらいたいときは主張することが重要だということを当たり前のこととして認識しているなと思いました。日本を離れて,私のこれまでの製作を客観的に見直すことで,自分が何をしたいか,どうなっていきたいか,そしてそのためには何をしていくべきかについて考えるきっかけとなりました。このような長期的な見通しをもつことができたのも,フランスで充実した時間を過ごすことができたからだと思います。

2017年度 国立高等装飾美術学校(ENSAD)/フランス 吉浦 眞琴

学部
大学院美術研究科 美術学部・大学院美術研究科

年度
2017

氏名/専攻
吉浦 眞琴/版画

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