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2018年度 アールト大学芸術学部/フィンランド 山本 伊代奈

学部
大学院美術研究科 美術学部・大学院美術研究科

年度
2018

氏名/専攻
山本伊代奈/染織

プロフィール

学年  美術研究科修士課程一回生
専攻等 版画
留学先 アールト大学芸術学部(Aalto University Department of Art)/フィンランド
留学先専攻 Fashion and Clothing Textile
留学期間 2018年8月~12月

留学行動記録

8月26日日本出国/フィンランド到着(中部国際空港より直行便)
8月27日管理会社から鍵を受け取る/ホテルからアパートへ移動
8月31日学校で入学手続き等をする
9月3,4日オリエンテーション
9月10日フィンランド語初級(Survival Finnish) 授業開始
9月11,12日織物Weaving Kiosk への参加(Helsinki Design Week)
9月14日絵画ワークショップスタジオ (Painting Workshop Studio) 授業開始
10月2日織物ワークショップスタジオ (Weaving Workshop Studio) 授業開始
10月11,12日ストックホルムへ展覧会を見にいく
10月17日織物クラスの中間合評
10月20,21日FaCT専攻の友人たちとエストニアへ旅行
10月26日Weaving の 最終合評
10月29日Printing Workshop Studio 授業開始
10月30日Experimental Textile Design 授業開始
(個人:Explorative Samples チーム:ENG-ARTSレクチャー,チュートリアル等)
11月15日Experimental Textile Design 中間合評
11月19日Printing Workshop Studio 最終合評
12月3日学内のフォトスタジオでのPhoto shooting (Experimental授業関連)
12月5日Experimental Textile Design 作品提出
12月7日Experimental Textile Design 最終合評 展覧会開始
12月17~20日コペンハーゲン
12月30日フィンランド出国
12月31日日本到着

授業や制作について

秋学期は2つのピリオドに分かれていて,9月から10月26日までが第1ピリオド,10月29日からが第2ピリオドとなっています。第1ピリオドでは,Survival Finnish(初歩的なフィンランド語) ,Painting Workshop,Woven Fabrics Workshop Studioの3つに参加していました。織りは一ヶ月の集中授業で,2つの対比するテーマを設定し,12種類の織物によるコレクションを作るという課題がありました。実際に制作を行うだけではなく,織りの構造や仕組みをよく理解をすることにも重点が置かれていて,Weave Pointというソフトウエアなども利用するなど,実践的でとても面白い授業でした。10人という少人数でしたので,担当の先生とのやりとりも多くあり,最終合評も含めてとても充実したものであったと感じています。

第2ピリオドでは,メインとなるExperimental Textile Design(実験的スタイルデザイン)という授業にあわせてPrinted Fabrics Studioにも参加していました。Experimental Textile Designの授業はテキスタイル/ファッションの学生以外にもインダストリアルデザインやエンジニアリングの学生も参加しており,個人の「サンプルを探求する(Explorative Samples)」という課題に加え,ENG-ARTSというグループプロジェクトも同時に進んでいきました。 全6週間の授業のうち,初めの2週間はアーティストによるレクチャーやキャンパス内のスタジオ訪問,エンジニアリングの学生による簡単なプログラミングソフトに関するワークショップなども行われました。ヘッドプロフェッサーとは中間合評と最終合評以外では会うことはなく,基本的には他の2人の先生とのチュートリアルで週に2回ほどずつ制作に関する話をしていました。使う場所や機材などは,あら かじめ申請して許可をもらってから使用が可能になるものと,木工室や金属加工など自由に出入りをして使うことのできる場所もありました。

Printed Fabrics Studioは4週間ほどで最終合評までが終了し,その過程でそのワークショップスペースで制作をしていいという正式な許可をもらうことができました。ほぼ全員が短期間に3つの課題を同時並行で進めているためにそれぞれに思い悩む第2ピリオドではありましたが,このExperimental Textile Designではそれぞれの修士論文をどのようなテーマで行なっていくのかという最初のきっかけづくりの場ともなっており,私自身にとっても新しい考え方をするきっかけとなるとても面白い授業でした。最終週にはフォトスタジオでそれぞれの作品,素材,関連する写真など自分のテーマにあわせた撮影も行いました。

現地の暮らしについて

大学の近くのシェア・アパートにポルトガル,ドイツの女の子たちと3人で暮らしていました。大学までは電車とバスを利用しておよそ30分です。2人は同じ大学の工学部の交換留学生で,それぞれに忙しく,すれ違いも多いので顔を合わせない日もありますが,週末の時間がある時に一緒にごはんを食べたり,廊下で立ち話をしたり,良い関係であったと思います。

フィンランドは大変安全な国で,危険を感じたことは全くありませんでした。日本よりも治安の良い国であると感じています。トラム,バス,電車などの交通機関の便がよく,行動のしやすい環境でした。

語学について

スーパーや街中では多くのものがフィンランド語/スウェーデン語の表記しかないので初めは少し戸惑いましたが,フィンランドの人たちは英語が堪能な人が多く,あまり困ることはありませんでした。修士課程の授業はすべて英語で行われており,国外から来る学生も多く,皆がそれぞれ違う母国語を持つ中,英語という共通の言語で話すということが自然で,その中で様々な人と意見を交わしたりすることが日々面白かったと感じています。

留学を終えての感想

とても短い期間でしたが,毎日同じ場所を通って同じところへ行き,人と会って,制作をすることがすべて面白いと感じる4ヶ月間でした。バタバタとした日々の中にあらゆる出来事や気持ちがありましたし, すべてを忘れたくないというのが今の率直な感想です。

最初の2週間は,私はこの場所には所属していないのだなという旅人のような気持ちになり,悩む心もありましたが,学校が始まりそのようなことは感じなくなりました。制作中などにお互いに思うことについて率直な意見を言ったり,疑問点を質問したり,助け合ったり,同じワークショップスペースで作業している人たちとは絆を感じたり,言い合いになってしまった先生と最終的にとても良い関係になれたり,苦しかったことも楽しかったと思うこともどれもこの場所にきて,ここにいる人との関わりによってうまれたことなのだと思うと,ここで1セメスター勉強をできたことが,本当にかけがえのない日々であったと感じています。

フィンランドで出会った人たちは,皆あらゆることにとても意欲的で,それぞれの人の考えやものづくりを知ることもとても刺激的でした。また,異なった方法,考え方で制作をすることにより,自分自身の制作について改めて考えるきっかけにとなりました。今はまだ,フィンランドで過ごした日々が直接的に私にとってどういう部分になったかというふうに具体的に言い表すことはできませんが,アアルト大学,フィンランドという環境で生活をして学ぶことができたことは,確実に自分にとってプラスであったと言える充実した交換留学でした。ありがとうございます。

2018年度 アールト大学芸術学部/フィンランド 山本 伊代奈

学部
大学院美術研究科 美術学部・大学院美術研究科

年度
2018

氏名/専攻
山本伊代奈/染織

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