2019年度 ポズナニ芸術大学/ポーランド 河原 雪花
学部
大学院美術研究科
美術学部・大学院美術研究科
年度
2019
氏名/専攻
河原雪花/構想設計
プロフィール
学年 修士課程2回生
留学先 ポズナニ芸術大学
留学先専攻 インターメディア
留学期間 2019年9月~2020年1月
留学行動記録
9月1日 | 日本出国 |
9月2日 | ポズナン到着 |
9月6日 | 大学訪問・担当者と会う |
9月12日~16日 | チェコ旅行 |
9月19日~22日 | ブロツワフ上映会 |
9月24日~28日 | クラクフ上映会 |
10月1日 | オリエンテーション/授業登録 |
10月7日~ | 授業スタート 火 Drawing studio XVI 15:00~19:30, Poster studio l 10:00~13:00 水 Drawing studio XVI 15:00~19:30 木 Space Transformation Studio 9:15~11:30, Poster studio l 10:00~13:00 金 Extend Cinema studio ll 10:00~11:30, Animation studio ll 12:30~14:00 その他の時間は自宅制作/アニメーションスタジオで撮影 |
10月25日~28日 | ワルシャワ調査旅行(制作要素のため) |
11月8日~12日 | イギリス旅行 |
11月23日~24日 | ベルリン旅行 |
12月6日~9日 | ギリシャ旅行 |
12月10日~14日 | Skoki合宿 |
12月20日~23日 | チェコ上映会 |
1月14日 | ロンドン出発 |
1月15日 | 日本帰国 |
授業や制作について
┃授業や制作について
ワルシャワの伝説を元にしたアニメーション映画を作りました。ストーリー制作、背景、切り絵による登場人物を作り、短いカット映像も制作しました。(30分ほどの映画になるので、帰国後もしばらく作ります。卒業制作になる予定です。)
<Drawing studio XVI >前半エクササイズドローイングがありました。制作相談はもちろん、教授やアシスタントの方、他の生徒との対話が多いです。将来についてなども気軽に相談しやすかったです。<Poster studio l >自宅で制作し、スタジオは相談型でした。ポスターを3枚制作しました。
<Space Transformation Studio>スタジオは相談型でした。空間意識についてのアドバイスをもらえます。
<Extend Cinema studio ll>スタジオは相談型でした。技術面での細かい指導が主です。先生は実写映画がメインの分野のようですが、アドバイスはとても参考になりました。
<Animation studio ll>古いアニメーションやMV等、先生のオススメする作品を鑑賞しました。この授業はポーランド人のみに開放されているため、言語はポーランド語でした。生徒が翻訳してくれました。それからいつでもアニメーションスタジオの機材を使うことができました。作品の相談もしましたが技術指導が多いように感じます。(内容についてはあまり触れられませんでした。)
どのスタジオも授業時間全ていなければならないということはありませんでした。相談が終わった生徒はすぐに退出したり、残って他の生徒の相談を聞いたり、対話したりしていました。最後の方ではさらに二つのスタジオに飛び入りで参加しました。学外研修旅行として、ポズナンから1時間半ほどの村Skokiに行きました。英語コースなので色々な国籍の人たちと6日ほど合宿しました。自身のプレゼンテーションやワークショップなど行いました。自然の美しい場所でした。インターナショナルな環境で多くの友人と過ごすのはとても楽しかったです。
現地での生活について
ポズナンは小さなのんびりした街です。トラムとバスが主な交通手段ですが、大抵の場所は歩いて行けます。物価は安く、治安、安全面ともに良好でした。たまに危なそうな人や酔っ払いはいますが危害を加えられたことはなかったです。アジアンショップやラーメン、寿司などの日本料理店も良く見かけます。中心地に住んでいるので帰宅が夜になっても人通りは多く安心でした。ちなみにドミトリーは少し郊外にあり、生徒は学校までトラムを使って通っています。ドミトリーは1人部屋から3人部屋まであります。たまに遊びに行きましたが楽しそうでもあり、共同生活が大変そうでもありました。街は美術館やギャラリーも充実していて、パフォーマンスイベントやコンサートもよく開かれていました。12月に入るとクリスマスに向けてイルミネーション、マーケットが始まりました。何もなかった広場にお店やジェットコースター、観覧車まで出現しました!けれどもやはり小さな街なので、ずっといると少し退屈です。外国や他の都市にたくさん行けたことは良かったです。ヨーロッパでは環境問題に対する意識が日本と全く違います。作品も環境問題に訴えるものが多い気がしました。 大学は英語コースが充実しているので、様々な国の人々と友人になりました。
語学について
ポーランドの若者は英語が喋れる印象ですが、中年~は全く喋れない人が多いです。授業は基本英語なので、ポーランド語は挨拶と基本的な単語を知っていれば問題なく生活できました。英語は日常会話ができるくらいで渡航しましたが、それでもオリエンテーションの時点で十分聞き取れず分からないことだらけでストレスでした。その度に担当者や友人に何度も確認して乗り越えました。周りは外国人も含めて英語が話せる人ばかりなので、全く話せないとかなりキツイのではと思います。基礎さえあれば授業を受けたり友達と話したりで毎日英語は伸びます。聞くことと話すことが一番大事だと思います。最後はある程度聞き取れ、喋れるようになりました。
留学を終えての感想
子供の頃からヨーロッパに憧れを持ち、大学入学後はとりわけ中東欧とロシアのアニメーションの影響を受けたので、今回ポーランドに実際に住んで制作できたことは私にとって大きな出来事となりました。憧れや幻想が実物と体験に代わり、その国の人々の生の声を聞くことができました。制作においても、ポーランドをベースにした物語をその国の人に見てもらい、アイデアが膨らんで行ったことは決して日本では得られなかった経験です。そして英語でのコミュニケーションが取れるようになったことで自分の世界が広がったこと、たくさんの友達ができたこと、彼らと過ごした時間、様々な視点の共有は私にとってかけがえのないものになりました。フェミニズムという観点からも多くの人と対話することができ、それぞれの国が抱える問題、外から見て日本がやはり相当遅れていることも改めて実感しました。私がこれからどう作っていくか、何を見つめるか、どのように海外でも活動していくか、今回の留学はこれらの決断の大きな足がかりになると感じています。