2021年度 ロイヤル・カレッジ・オブ・アート/イギリス 堀切美希
学部
大学院美術研究科
美術学部・大学院美術研究科
年度
2021
氏名/専攻
堀切美希/染織
プロフィール
学年 修士課程1回生
留学先 ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(Royal College of Art)/イギリス
留学先専攻 MA Textile
留学期間 2022年1月~4月
留学行動記録
12月20日 | 英国到着 ( 12月22日迄自主隔離) |
12月27日 | フラットに引っ越し |
1月10日 | 学校訪問 |
1月11日 | オリエンテーション |
1月12日 | 授業開始 ニット(手横編み機)のワークショップ初日 |
1月25日 | チュートリアル |
1月26日 | グループチュートリアル |
2月2日 | 座席選び |
2月7日 | レクチャー ワークショップ |
2月9日 | チュートリアル |
2月14日 | グループディスカッション(以後週一) |
2月16日 | チュートリアル |
2月25日 | レクチャー デモンストレーション |
2月28日 | チュートリアル |
3月8日~9日 | 中間グループ講評 |
3月11日 | ニット(自動編み機)のワークショップ初日 |
3月15日 | レクチャー |
3月21日 | 進捗評価 |
4月1日 | 授業最終日 |
4月4日 | ロンドン出発 |
4月5日 | 帰国 |
授業や制作について
テキスタイルは、私が選択したニットのほかにプリント・織・ミクストメディア・ソフトシステムの5つの専門領域があります。
授業の初日を迎えてまず、工業用手横編み機(Dubied) というはじめての編み機をまえに、テクニシャンがニットのワークショップを設けてくれ、2日間一対一でたえず側で教えてくれました。日本で普段使用している家庭用編み機とは異なる構造と操作に苦戦し、慣れるまでには時間を要しましたが、プロジェクトがはじまるまでの1ヶ月間、毎日10時から22時までニッティングルームに篭って取り組み、テクニシャンは、新しいことに挑戦する機会を多く与えてくれました。また、拙い英語による数々の疑間に親身になって答えてくれ、失敗した際の原因や機材の修復方法を学び、今後の自分自身を助けるための知恵を鍛える期間になりました。だんだんと他の学生から教えてくれないかと声がかかるようになり日々の成長を実感する嬉しい出来事もありました。
プロジェクトには、専攻を超えてファインアートやクラフトに属するテキスタイルに関心を寄せている学生が集いました。週に1、2日プロジェクトメンバーで集まり、講師からものづくりや道具、素材といったテーマに関連した講義や読書会、学外からアーティストを招いた講演、ロンドンで催されている展覧会の鑑賞等に参加し、その度討論を重ねました。また、作品制作においてもアイデアを構築する段階から意見や情報を交わし、多様なバックグラウンドを持ち、異なる専門領域のメンバーで構成されていることで、多角的な視点を得ることができます。
学生同士で知を交換し、時には共に考え、互いに高め合うような環境でした。
現地での生活について
イギリスの首都ロンドンは、伝統と革新が共存した様相で、建造物をはじめ美術館や博物館など芸術で溢れています。多様な文化や民族が混在した街は、エリアによって異なる表情が見られ、片道1時間半の通学も楽しみのひとつでした。
また、ニットの本場であり、街中で目にする光景には、装飾が施されたニット帽をかぶった郵便ポストやクリスマスシーズンにユニークな柄のクリスマスジャンパーを着用する人々や(ロンドン自然史博物館に展示されている)恐竜、通学時のバス内でかぎ針編みをしている子どもたち。土地や暮らしに根ざしたニットの文化に触れ、心が満たされました。
語学について
渡航前は英会話のレッスンを受講し、ニットに関する洋書を何冊か読んで専門用語を覚えました。現地では学内外の講義やワークショップ、展示会に積極的に参加し、行動範囲を広げ、毎日、様々な学生と話すことを心がけていました。
留学を終えての感想
テキスタイル分野におけるあらゆる課題に対して、創造的・革新的に応えていくことを求められる環境に身を置き、高い志を持って多種多様なアプローチやプロセスを実践している学生と共に研究した日々は、今後、私の原動力になり続けると思っています。
一歩前に踏み出すきっかけを与えてくださった野田凉美特任教授をはじめ、教員の方々や教務学生課の方々に感謝しております。