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2023年度 国立高等美術学校/フランス アリーナ・ジダーノワ

学部
大学院美術研究科 美術学部・大学院美術研究科

年度
2023

氏名/専攻
アリーナ・ジダーノワ/美術専攻(構想設計)

プロフィール

学年 大学院美術研究科博士(後期)課程
留学先 国立高等美術学校(École nationale supérieure des beaux-arts)/フランス
留学期間 2023年9月~2024年1月

留学行動記録

9月2日 フランス到着後にホームステイ先に入る。携帯のSIMカード、交通定期券Navigoを買う
9月4日 学校でオリエンテーション(1)開催。フランス語のレベル分けテストも実施。
9月5-7日フランス語レッスンに通う(学内)
9月12日 オリエンテーション(2)開催。St-Ouenキャンパス探索
9月15日 オリエンテーション(3)開催。学校の歴史ツアー
9月11日-10月6日所属したいアトリエを決めて、アトリエの先生と面談。自分が通うテクニカルやドローイングのコースも決める
10月2日 授業開始
10月22日ランスに旅行。Frac Champagne-Ardenne にてグループ展に参加していたため、観賞
11月1日住居引越し
11月6-7日 amesスタジオのグループ展開催、参加
11月10-12日ナントに旅行
11月20-22日Emmanuelleスタジオのグループ展開催、参加。
12月28-29日モンサンミッシェル、レンヌを旅行
1月13日アムステルダム旅行
1月18日交換留学生によるグループ展開催、参加
1月19日セメスター終了
1月23日日本帰国

授業や制作について

授業は、テクニカルやドローイングは基礎を徹底的にやる印象をうけた。
スタジオは2つ(絵画:James Riellyとダンス:Emmanuelle Huynh)に入りました(※ENSBAには専攻の区別がなく、教員のスタジオに所属するという授業スタイル)。
ダンスは週に2日、それぞれ丸一日使って、毎朝ヨガから始まり後半にはインプロビゼーションなどを行う。体と動きについて考え、空間を観察し、そこでどう動いていくかを実験していました。

11月6~7日 所属スタジオ(James Rielly)の展覧会に参加し、過去に作ったアニメーション作品をモニターで映す形で展示しました。

11月20~21日 所属スタジオ(Emmanuelle Huynh)の展覧会に参加、パフォーマンスを実施しました。
過去に作ったアニメーション作品を、まだらに白くペイントした布にプロジェクションしました。パフォーマンスは東京芸大からの留学生の豊田ゆりかさんにお願いし、コラボレーションの形で発表しました。
この展示は実際に先生や生徒からのフィードバックがあり、リアルな感想や新しいアイディアを得ることができて、とても参考になりました。

12月9日 所属スタジオ(Emmanuelle Huynh)がシャイヨー国立劇場にてパフォーマンス。私は参加せず鑑賞のみ。
このスタジオでは、希望者は年に何度かアーティストの作品に参加し、実際に演じることができるので、ダンスをちゃんとやりたい人には面白いと思います。私は自分の制作に集中するために参加はせず鑑賞のみにしました。

もう一個のJames Riellyのスタジオでは、月に1度程度、集まって制作物をディスカッションする日が設けられていました。

住まいの見つけ方について

最初は日本でホームステイサイトで探し、現地でホームステイを始めましたが、値段が高いのと、家のルールがどうしても合わず、引越しを決めて現地で探しました。様々なwebサイトを使いましたが最終的にはMixBにて発見。家賃は相場の半額だったので怪しみながらも、やりとりをして内覧をして怪しくないことを確認し、契約しました。とても良い場所でした。しかし詐欺にあった学生も数人いたので注意は必要です。

現地での生活について

気候と服装に注意したほうがいいかと。朝夜はダウンで昼はタンクトップを着てることがあれば、一日中コートが必要なときもありました。メトロはサウナ並に暑いです。
治安に関しては身体的に危険だと感じることはありませんでしたが、スリには気をつけて、いろいろと対策をしていました。
他の交換留学生の話ではぼったくりやスーツケース盗難や詐欺などを経験した人は多数でした。思っていたよりも治安が良く、街もきれいで生活しやすい。でも物価がめちゃくちゃ高かったです。他のヨーロッパの国よりも高い印象でした。しかし画材屋、布屋、飲食店などに学割があったりするのは嬉しかったです。
体調的な面では、冬になってくると朝起きるのがすごく辛くなりました。ほとんど毎日が雨で太陽を見ることが少なかったせいかな、と思っています。家の掃除をしたり、散歩したり、美味しいものを食べたりと、定期的にリフレッシュすることを心がけていました。

語学について

フランス語でも英語でもわからないことはどんどん聞くこと。私はフランス語は初級レベルなので英語で甘えていましたが、授業はほぼフランス語なので、フランス語でも何を言っているかちゃんと聞いて、考えることが大事だと感じました。
とにかく喋る。話しかける。分からなかったら聞く。あとは、現地でNetflixに入ってフランス語の映画やジブリのフランス語吹き替えなどを見ていました。

今後の派遣留学生に伝えたい注意事項など

・物価がとても高かったので金銭的な余裕を持つ必要がある。

・ENSBAではwifiがあるものの、Youtubeなどの動画が見れなかったりメールが開けなかったり、セキュリティが厳しすぎるためほとんど使えないので注意が必要です。携帯SIMは現地で買うのが安くて便利です。解約は一手間ありました。

・治安はヨーロッパの一般的な治安なので、特に悪いというわけではありませんが、日本に比べるとすごく悪いです。日本人は狙われやすいので注意が必要です。ポケットに手を突っ込まれたり、カバンを開けられたり、iphoneをすられたりと、実際に周りには多々ありました。

・フランスの学生保険は申請してから3ヶ月かかってようやく受理されたので、日本でできることは早めにしておくべきです。

・交通費の学割やミュージアムの学割は基本的には25歳まで。26歳以上はほとんどの場合で大人料金になるので注意が必要です。

フランスの健康保険が、3ヶ月たってやっとできました。実際に病院に行くことがあったので、日本に来る前に申請すればもっと早くもらえたのかな、と少し後悔しています。でも実費でも日本の保険適用よりは安かったのでよかったです。(ものによると思いますが)
・また、思ったよりパリが寒くなかったので、暖かいセーターと暖かいダウンだと暑いと思うことが多いです。もう少し薄手のセーターを持っていけばよかったなと思っています。

留学を終えての感想

フランスは歴史に重きをおき、文化的に豊かな国です。芸術鑑賞だけをとっても、それらと深く結びついていることを感じ、西洋美術史を実感的に学ぶことができました。パリに実際住んでみて、美術、音楽、哲学、食文化など、多くのことを通して文化の奥行きの深さを感じ、生活そのものを楽しむ国民性を知ることができました。

美術に関してはすこし懐古主義であると感じました。Brexitの影響でパリの現代アートが盛り上がっているという話を何度か聞き、現代アートシーンの発展を期待していましたが、実際にはあまりそうは感じず、大きめな美術館やギャラリーでは昔ながらの職人的な美術がより受け入れられているという印象がありました。そういった環境の影響もあり、私自身の制作やリサーチも基本的なデッサンや基礎の観察に重点をおくような形で移っていきました。(学校のなかでは現代アートに傾倒したスタジオもあるので、所属アトリエによっては別の印象をうけることもあるかもしれません。)制作において、技術的な面と精神的な面で自分の原点に立ち返るような感覚があり、自分自身の作品とも向き合い直すことにもなり、面白い経験でした。総合して様々な学びがあり、たくさんのものを吸収できて、とても充実した留学でした。

語学に関しては、フランス語は基本的な言葉だけ使って、あとは英語を使っていたのですが、それでもマルシェやカフェで、フランス語で注文するくらいはできるようになったのは嬉しかったです。

2023年度 国立高等美術学校/フランス アリーナ・ジダーノワ

学部
大学院美術研究科 美術学部・大学院美術研究科

年度
2023

氏名/専攻
アリーナ・ジダーノワ/美術専攻(構想設計)

KCUA International Office.

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