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2023年度 ロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージック/イギリス 中地 莉子

学部
音楽学部 音楽学部・大学院音楽研究科

年度
2023

氏名/専攻
中地 莉子/ピアノ専攻

プロフィール

学年 学部3回生
留学先 ロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージック/イギリス
留学先専攻 Piano
留学期間 2023年9月~12月

留学行動記録

9月4日 日本出国
9月10日 滞在先の家に到着
9月11-15日オリエンテーション
9月13日 授業登録のためのミーティング
9月18日 授業スタート【毎週火曜日にピアノ専攻生対象のクラス、英語のサポート授業/個人レッスン、室内楽レッスンは不定期】
10月16日マスタークラスレッスン
10月20-23日 旅行(デンマーク、ノルウェー)
10月23-29日Performance week(中間休み)
11月21日英語クラス 最終プレゼンテーション
1月25日-27日 旅行(エディンバラ)
12月1日-4日旅行(ベルギー)
12月6日ピアノ 最終レッスン
12月7日ホールでのレコーディング
12月8日Autumn term 終了
12月10日ロンドン出発
12月11日日本帰国

授業や制作について

授業はピアノ実技、室内楽、英語(留学生を対象)を履修していました。交換留学生のため、取得できる単位数が限られており、たくさんの授業を取ることが出来なかったので、自分のやりたいことに集中して取り組めるよう実技中心のものを選択しました。実技系の 授業では、レッスンの他にもマスタークラスや他の学生の前で演奏してアドバイスを貰える機会も たくさんあるため、利用できるものは利用していこうと考えていました。

セメスター中盤から後半にかけては、授業の最終プロジェクトに向けての取り組みを主に行
っていました。受講していた英語の授業の最終プロジェクトは、グループでクラシックとポップスやジャズなど、クラシック以外のジャンルの音楽を組み合わせて、難しかったことや工夫した点などを英語でプレゼンテーションし、実際にパフォーマンスするといったものでした。
私のグループは、中国出身の学生 1 人と私がピアノ専攻、セルビア出身のヴァイオリン専
攻の学生が 1 人という 3 人グループでした。曲の相談からパフォーマンスするためのアレン
ジを行うまで、全てを英語で相談しながら作業を進めていきました。また、室内楽も受講していたため、教授からレッスンを受ける機会もありました。私は 2 台ピアノをしていたため、ピアノ科の教授にレッスンを受けましたが、先生によって指導の仕方や音楽の作り方が全く違い、とても楽しくレッスンを受けることが出来ました。ピアノソロでも、Albert Tiu 氏のマスタークラスレッスンを受講させていただきました。

現地での生活について

バスや電車などの公共交通機関を使用するとき、スーパーなどで買い物をするときなど、キャッシ ュレスの取り組みが様々な場面で導入されているため、現金を用いることなく、生活できました。物価はとても高く、ランチを学食や外食ですると、日本の 2~3 倍はすることに驚きました。日本円 に換算すると買うのを尻込みするくらいなので、お金の管理はしつつもあまり考え過ぎず、必要なも のを揃えるようにしていました。またイギリスには様々な人種、出身国、文化、宗教など多様な背景 を持つ人がたくさんいます。その関係で学校の学食やレストランなどで外食をした際に、必ずヴィー ガンフードや宗教的な理由による食事などが用意されているのが印象的でした。

冬は暗くなるのがとても早かったので、学校から帰るときも真っ暗な中帰ることが多かったです。そのため、登下校時は特に周りに注意を払いながら生活していました。戦争反
対のデモやテロを警戒したメールが外務省から届くので、そのメールをしっかりと読んで、警戒される地域へは近付かないようにしたり、週末の人が多くなる時間帯に、都会に行かないようにしたりしていました。自身の中での変化は、人に対して物怖じせず、はっきりと嫌なことやダメなことを伝えたり、抗議できるようになったことが大きな変化かなと感じました。一度、高速バスを利用したときに、途中の街で「このバスはキャンセルになった」と突然降ろされたことがありました。そのときに、拙い英語でも必死に抗議できたのが自分の成長を感じることが出来ました。私が体験したように、普通に街中を走っているバスはもちろん、高いお金を払って走っているバスでさえ、途中でキャンセルになったり、行き先が変更になったりすることが多々あるので、ある程度の土地勘、複数の交通機関の利用方法などをしっかり把握するのが大事だと思いました。

語学について

語学の授業は週に 1 度、留学生を対象とした英語の授業に出席していました。ひたすら学生同士で 会話をして、英語に慣れるための授業です。自分の語学力を伸ばすために、間違えても、物怖じせ ずたくさんの人に話しかけるように意識していました。一生懸命話そうとすれば、ゆっくりで拙い英語 でも、相手が理解しようとしてくれることが分かりました。また、渡英して 1 番必要だと感じたのがリ スニングだったので、英語の日常会話が取り扱われている動画を視聴して、定型文で使えるものを 覚えるようにしていました。単語帳で単語の意味を覚えるのと同時に、作曲家や取り組んでいる曲についての 解説を英語でノートに写し、分からない単語の意味を調べたりして、オリジナルのノートを作っていました。アプリを用いて、隙間時間にスピーキングをしたり、単語を覚えたりしていました。

日本で準備しておけばよかったこと、持っていけばよかったもの、済ませておけばよかった手続きなどあれば教えてください

ヨーロッパは雨の日が多いので、防水機能のあるダウンや上着などを用意しておいた方が
よかったと思います。ロンドンでも、もちろん購入できるのですが、日本での価格と比べると高額だったので、持って行けるのであれば、そういった防寒+防水のものを持っていくと便
利だと思います。靴も同様で、濡れたときのために何足か持っていくと安心だと思います。また、3 ヶ月以上滞在の場合は在英日本大使館に在留届、帰国したら帰国届を出さなければ
ならないのですが、それらは全てインターネット上でできるので楽でした。

その他の今後の派遣留学生へ伝えたい注意事項など

派遣留学生の中には、海外での長期間の生活が初めてという方もたくさんおられるかと思います。日本とは全く違う環境で、言葉も通じなければ、文化も生活スタイルも違う、そんな環境で不安もたくさんあるかと思います。その中で、私が気をつけた方がいいと感じたことをいくつかお伝えして、お役に立てればと思います。まず一つ目に、私がこの留学に際して1番苦労したことは、住居を見つけることです。住居を探す際に、最初は寮やアパートでの一人暮らしを検討していましたが、どちらも立地や条件が良いところは一年、最短でも半年以上の契約が必要で、短期での契約が難しく、借りることができませんでした。また、海外ではシェアハウスホームステイが一般的で、Facebookや掲示板で募集をされている方がたくさんいます。しかし、それらに掲載されている情報は玉石混交ですので、根気よく探すことが必要だと感じました。実際に海外に行ってみて、良い人ばかりでなく、悪い人もとても多いと感じました。そのため、熟考した上での行動をすることが必要不可欠だと思いました。二つ目は、日々の危機管理についてです。ロンドンは学生も多く、比較的安全な街とされていますが、スリや大麻など気をつけなければならないこともたくさんあります。また、夜になるとガラリと街の雰囲気が変わり、治安が一気に悪くなります。そのため、地下鉄やバスではカバンを前に抱える、現金を多く持ち歩かない、目を付けられないように普段の登校では綺麗な洋服を避け早足で歩く、夜遅くに帰宅するときはUberやタクシーを使って帰宅するなど、日本ではあまり気にかけなかった些細なことにも気をつけて生活を送っていました。そのため、命の危険を感じたことはなかったのですが、少し危ないなと感じたことは何度かありました。日本と違って、しっかりと気を張っておくことが大事だと強く感じました。三つ目に、パスポートや保険の契約書、学校の在学証明書、往復航空券のコピーは2〜3枚程度持って行くことをオススメします。理由としては、飲食店にてアルコールを頼むときに年齢確認をされることもあり、身分を証明できるものを持っておくことは大事でした。また、ロンドンから他国へ旅行する際、入国審査で色々と聞かれることもあり、英語が達者ではない自分は学校からの在学証明書等を提示することで、怪しいものではないということを簡単に証明することができました。

留学を終えての感想

今回の留学は、初めて1人で海外に行き、長期間生活するということだったので、出発前は不安で仕方なかったのですが、渡英していざ生活を始めてみると、毎日が楽しくて仕方ありませんでした。言葉も通じない異国の地でしたが、RCMの学生たちはみんなとても親切に接してくれ、困っているときはいつでも助けてくれました。周りのレベルも非常に高く、コンサートでの演奏や、日々の練習室から聞こえてくる演奏にとても刺激を受けました。そして、とても素晴らしい先生にも巡り合うことができ、毎週のレッスンでは新たな発見があり、自分の成長を少しずつ感じることができました。友達、先生ともに、とても素晴らしい方々と出会うことができたと感じています。また、語学面でも不安は大きかったのですが、日々の会話や授業に積極的に参加することで、自分の語学力の向上も感じることができました。喋れるようになった単語や文章が増え、会話がスムーズにできるようになったとき、全く聞き取れなかったネイティブ同士の会話を聞き取り、会話に参加できるようになったときなど、少しずつ成長を感じることができたのがとても嬉しかったです。もちろん楽しいことばかりでなく、しんどかったことや、辛かったこともありましたが、それも含めて自分は確実に成長できたと言える留学期間になりました。この経験を踏まえて、これからも色々なことに挑戦していきたいです。 

2023年度 ロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージック/イギリス 中地 莉子

学部
音楽学部 音楽学部・大学院音楽研究科

年度
2023

氏名/専攻
中地 莉子/ピアノ専攻

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