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2024年度 ウィーン国立音楽大学/オーストリア 植村 芽以

学部
音楽学部 音楽学部・大学院音楽研究科

年度
2024

氏名/専攻
植村 芽以/ピアノ専攻

プロフィール

学年 学部3回生
留学先 ウィーン国立音楽大学
留学先専攻 Piano
留学期間 2024年3月~2024年7月

留学行動記録

2月23日 日本出発(関西国際空港、ターキッシュエアライン)
2月26日 ウィーン国立音楽大学にて学生登録、学生証等
2月28日市役所で住民登録、大学の履修登録
3月4日 大学のキャンパスツアー
3月5日 レッスンスタート(基本的には毎週水曜日)
3月11日室内楽試験、授業スタート(不定期の室内楽、毎週木に合唱)
 旅行(イギリス、スロバキア、ハンガリー、イタリア、チェコなど)
5月13日室内楽コンサート
5月16日門下コンサート
6月1日門下コンサート
6月13日室内楽コンサート
6月17日合唱クラスコンサート
6月19日ラストレッスン
6月20日室内楽コンサート、ヴァイオリンコンサートの伴奏
6月24日門下セメスターパーティ
6月27日市役所での手続き
7月1日日本着

授業や制作について

開講されている授業がとても多く履修登録が本当に大変でした。ただ交換留学生が取れる授業は限られているそうで、私が取ったのは合唱、室内楽2個、楽器伴奏、ピアノレッスン(専科)でした。合唱の授業以外は全て英語で行われていました。

Vokalensemble(合唱)の授業ではセメスター終わりのクラスコンサートに向けて、男女で分かれた練習及び全体練習を行いました。 ソロのレッスン(週一、90分)に加えてChamber Music(室内楽)のレッスンや合わせがとても多かったです。

セメスター終わりに近づくにつれて、全てのソロ及び室内楽グループでクラスコンサートがありました。直前で曲が変わって焦ることもありましたが、その焦りを共有し合わせを重ねることで、室内楽の子たちとより仲良くなることができました。一緒に本番を駆け抜けた仲間との時間がこの留学1番の思い出かもしれません。

発表などについては、

5月13日 Auftrittspraktikum→室内楽の授業の一環で、色々なグループが演奏して意見を交換したり、パフォーマンスの観点から見たアドバイスをいただけるミニコンサートのようなもの(ホルン&クラリネットとのトリオ)

5月16 日Klaviernachmittag→本科であるピアノソロのクラスコンサート

6月1日 Klavier Konzert→ピアノソロの門下内での弾き合い会

6月13日 Klavierkammermusikkonzert→室内楽のコンサート(ヴァイオリンデュオとピアノ)

6月17日 Vokalensemble Konzert→開講されている全ての合唱の授業グループが集まって、それぞれの成果を発表する

6月20日 Holzbläserinnen Matinee→室内楽のクラスコンサート(ホルン&クラリネットとのトリオ) 2024.6.20(木) Violine- und Kammermusikabend→室内楽のクラスコンサート(ヴァイオリンとピアノのデュオ)

を行いました。

現地での注意事項、治安情報、安全面など

私は1区の中心地に住んでいてコンサートホールへのアクセスもとても便利です。夜にコンサートに行っても、特に治安について悪いと感じたことはありません。ただホームレスの方はたくさんいて、奇声をあげる方もたまに見ます。アジア人だからかすれ違った人に何か言われることもありますが、何が何でも無視していました。

街では、トラムも車も結構な勢いで走っていて、歩行者優先という感じはしませんでした。たまに歩行者が信号無視をしてトラムに轢かれそうになっているのを目撃したので、気をつけた方が良いと思います。

現地での生活について

ほとんどのお店でカード払いができます。ただ有料トイレは現金のみのところがあります。物価については、非常にに円安(1€=164円ほど)だったので、何でも高く感じました。気候に関しては、 朝起きて窓を開けたときの空気や街並みは本当に素晴らしいと感じました。湿気があまりないので、雨が降ってもそんなにベトベトはしません。 ただタバコを吸う人がとても多く、外に出たら路上喫煙をしている人がそこら中にいます。 いくつかコンサートホールがあり、貴重なコンサートを聴ける機会が多いです。売り切れているものも多いので、自分で予め調べておいて本当に行きたいものは早めにチケットを買っておくのがオススメです。

住まいの見つけ方について

私は夏セメスターでの交換留学で、これは日本で言う後期にあたる時期なので、空きのある部屋が非常に少なかったです。

①練習室があること ②大学に近いところ ③安全性の高いところ

主にこの3つをポイントにして、当てはまりそうな学生寮やアパートメント、WG(シェアハウス)にメールをたくさん送りました。覚悟はしていたのですが、メールの返信さえ来ないところが8割と言っても良いくらいでした。特に気になるところには返信を催促するメールを何度か送っていましたが、それでも空きがないとの返事が多数でした。唯一空いていたヨハネスガッセの寮(大学から徒歩20分)は高くて部屋も狭くデメリットもありますが、とにかく立地が最高でした。最初の月は主部屋、シャワー、お手洗い、キッチン全てを2人で使うシェアルームでしたが、プライバシーの無さに耐えられず寮長さんに申し出て、運の良いことにたまたま空きが出たシングルルームに4月からは住むことができました。

語学について

英語を話す方がとても多いと感じました。友達との会話は基本的に英語でした。 できるだけ自力の英語とジェスチャーで頑張っていますが、どうしても伝わらないときは翻訳アプリを活用しています。授業はドイツ語で開講されますが、合唱は身振り手振りで何を言っているか理解できました。友達との会話や合わせ・レッスンも全て英語で行ってもらえましたが、カフェやスーパーで使うドイツ語だけでも覚えると楽しくなりました。交換留学も終わりに近づいた頃、やっと英語でコミュニケーションを取ることにハードルを感じにくくなりました。「文法や単語を間違えないように」という概念が崩れました。自分の知っているワードをフル活用して笑顔を大切にすればコミュニケーションは取れます!

日本で準備しておけばよかったこと、持っていけばよかったもの、済ませておけばよかった手続きなどあれば教えてください

私が持ってきたら良かったと思ったものは炊飯器です。もちろん現地でも買えますが、高いし保温機能の無いものも多いです。荷物になってしまうので、例えばレンジでお米が炊ける便利グッズなどを持ってきておけば安心かと思います。日本のお米とは違いますが、小さなスーパーでも安くお米は手に入ります。4ヶ月間の留学ために炊飯器を買うのはもったいないので、重量さえ大丈夫であれば持って行くのが良いかと思います。

持ってきてよかったものはマスキングテープです。私は楽譜をコピーして貼る際によく使いますが、ウィーンでマスキングテープを買おうとするととっっても高いです。多めに持っていくことをオススメします。その他に私が心から持っていって良かったものは、お気に入りの調味料(現地でも日本の調味料はありますが、べらぼうに高いです)、インスタント食品(慣れるまで料理をする余裕がありませんでした)、現地の観光ブック、海外対応の延長コード、性能の良い変換プラグ、小さめボストンバック(小旅行に役立ちました)、洗濯ネット、歯ブラシ(日本製のものが1番)などです。

その他の今後の派遣留学生へ伝えたい注意事項など

私が渡航前に主に迷っていたのはクレジットカード、そして携帯の手続きです。まずクレジットカードについては、ビザを取らない場合に現地で銀行口座開設はできないため、Wiseというネットバンキングを使用していました。これは現地で使用する際の手数料がとても低く使いやすかったためオススメです。私はWiseと日本のクレジットカードを時と場合によって使い分けていました。
携帯については現地のSIMを買うことも考えましたが、最終的にeSIMに決めました。Airaloという会社のeSIMで、オーストリア4ヶ月分+旅行国でのeSIM全ての料金で13000円ほどでした。メリットとしては日本の携帯電話番号が使えるため2段階認証に困らない、SIMの入れ替えの必要がない、デメリットは日本の携帯会社の料金も払い続ける必要がある、データローミング等に気をつける必要がある、現地での携帯電話番号が付与しないなどが挙げられるかと思います。どこにいても電波が安定しており、旅行の際もアプリで手軽にSIMが購入できたので、私は大満足でした。

書類の確認だけは何回もすることをオススメします。こちらがちゃんとメールを送っていても見逃されていたり少し情報に違いがあったりするので、何回か目を通し印刷して所持していました。4ヶ月間の滞在でビザが必要ないのはオーストリアに特別のことなので、念の為それを大使館等に確認しスクショを取っておくようにしました。それに関してシェンゲン国の移動などのややこしい事柄が多いので、よく調べておく方が良いと思います。
日本に好感を抱いてくれているヨーロッパの方がとても多い印象でした。京都から来たと言うと、抹茶や着物のイメージで羨ましがられることも多かったです!

留学を終えての感想

自分で準備するには中々踏み出しにくい留学ですが、大学からの交換留学という形は挑戦しやすく、本当に行って良かったと思う4ヶ月間です。初めてのことが重なり続け、大きな
壁がいくつもあった分、人の優しさに触れて自分自身も強くなったと感じています。どんな出来事も無駄じゃないと心から言えます。
ウィーンはとても住みやすい街で、大学も緑に囲まれたとても通いやすい雰囲気の素敵な場所でした。交換留学ということで授業は少なかったのですが、ソロ以外に室内楽にたくさん取り組めたことが1番嬉しかったです。日本では友達同士で室内楽を組むことが多いので、グループを組んでから音楽を試行錯誤する中で友達になっていく過程がすごく印象的でした。また学期試験が無く、セメスター内で各授業におけるコンサートが1〜2回ほどある形が新鮮でした。
観光や旅行はこれ以上無いほど満喫したと思います。ウィーンはどの国へも行きやすく、オーストリア国内でも素敵な地域がいくつもあるのでたくさんの思い出ができました。そしてさすが音楽の都とあって、コンサートは毎週のように各国の著名人のコンサートがあり、行ききれないほど素晴らしいものばかりでした。日本では行きにくいオペラもほぼ毎日開催されていて、そのどれもが忘れられないほど感動しました。
この4ヶ月間は間違いなく今しかできない経験をたくさんしました。憧れの京芸に入学し、そこからまた憧れのウィーン国立音楽大学に交換留学できたことは、私の人生において本当に宝物です。

 

2024年度 ウィーン国立音楽大学/オーストリア 植村 芽以

学部
音楽学部 音楽学部・大学院音楽研究科

年度
2024

氏名/専攻
植村 芽以/ピアノ専攻

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