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2024年度 中央美術学院/中国 森山 さくら

学部
大学院美術研究科

年度
2024

氏名/専攻
森山 さくら/美術専攻(日本画)

プロフィール

学年 大学院美術研究科美術専攻(日本画) 修士課程1回生
留学先 中央美術学院/中国
留学期間 2024年9月~2025年2月

留学行動記録

8月29日 日本出国
8月30日 入学手続き・留学生オリエンテーション・寮の部屋の整理
9月2日ゼミ見学・ゼミ選択/第一課題の授業スタート
9月14日 留学生交流イベント 中国伝統古典演劇 (秦腔)を観劇
9月25日 第一課題終了
9月28日第二課題 授業スタート
10月9~15日 旅行 (甘粛省敦煌市/敦煌石窟芸術国際学会を見学)
10月19~20日 留学生交流イベント 万里の長城1泊2日旅行
12月6~7日旅行 (山西省大同市)
12月19~21日旅行 (陝西省西安市)
12月26~30日 旅行 (重慶市・四川省成都市)
1月10・13日他専攻のオープンスタジオ見学 ※壁画専攻は発表なし
1月17日第二課題授業終了
1月28日退寮/日本帰国

授業や制作について

 交換留学生は座学の授業が無いので、実技授業のみでした。壁画専攻では、最初に所属する工作室(ゼミ)の選択がありました。しかし、希望すれば、交換留学生は専攻内の別の工作室の課程を受講することも可能でした。私は中国画の模写などもできる第四工作室の2・3年生の授業を選びました。最初の8週間は宋画の模写の授業でした。トレース台、墨汁、中国画絵具、宣紙や絵絹を使って模写を行いました。次の2週間は日本画の授業でしたが、日本での私の専攻が日本画であることや、私が壁画パネルに絵を描いてみたいと思っていることなどを先生と相談した結果、日本画の授業期間中は第五工作室で壁画パネルの作り方を学ぶことになりました。 

 その2週間が終わった後、第四工作室に戻り「色彩創作」という名前の授業を受けました。4週・4週・2週の計10週間で、3人の先生がそれぞれの期間を担当するというものでした。画材・テーマ自由で、自由度の高い課題でした。私は壁画パネル作品と絹本作品を制作しました。なにか相談したいことがあれば先生に聞くという指導スタイルでした。また、週に何回か先生のレクチャーを皆で聞く時もありました。先生は現代芸術や油画が専門で、レクチャーでは主に現代芸術作家やその作品についての紹介がありました。自分で制作を進める時間が多かったので、セメスター後半は自分でスケジュールを調整し中国国内を色々見て回りました。山西省大同市や西安、重慶、成都に旅行し、世界遺産にもなっている仏教石窟や古い寺院、独特な街並みなど、制作に活かせそうな場所を実際に見て刺激を受けました。

現地での生活について

 北京は治安がいい都市でした。中国国内の大きめの都市や観光地であれば、犯罪に遭う確率は日本と大差ないと思います。ただ、交通マナーはかなり悪いので、事故には十分に気を付ける必要がありました。大量のバイクや自転車が結構な速度で走ってきますし、それらは逆走も頻繁にしているので、常に周りの交通状況に目を光らせなければなりませんでした。クラクションやベルを多用するので、周囲の音にも気を付けていました。また、中国では、車は赤信号でも右折可能なので、横断歩道を渡る時は注意が必要です。

 北京の大気汚染状況は悪かったです。ひどい日は、排気ガスのような空気が霧のようになり、普段見えている遠くのビルが全く見えませんでした。そのような日は喉も少しイガイガしてくるため、できるだけ室内で過ごすようにしていました。晴れている日は比較的良好ですが、くもりの日や冬場は大気汚染がひどくなりやすいようです。

 北京は非常に広い都市なので、徒歩圏内で行けるお店は限られています。しかし、シェアサイクル、通販、ウーバー、交通などインフラが整備されており、デジタル化も進んでいるため、生活の利便性は非常に高かったです。ウーバーでは料理だけでなく、野菜や薬、トイレットペーパーなどあらゆる日用品が20~50分ほどで届きます。通販も早ければ次の日には届きます。ショッピングモール等で買うよりも通販のほうが品揃えもよく安いので、物を買いに外へ出るということはあまりないです。

 モバイル決済が当たり前で、現金が使えない店すら存在します。物価は日本とほぼ同じ程度ですが、生鮮食品や公共交通機関はとても安く、シェアサイクルは30分1.5元(約33円)、地下鉄は平均2~5元前後(約44~110円)、タクシーは日本の10分の1の値段です。
寮にはシェアキッチンがありましたが、学食があるので使用していませんでした。中央美術学院は食堂が3カ所あり、価格は約5~22元(約105~440円)でした。
その他注意が必要なのは水です。安全上、蛇口の水道水を飲むことはできません。飲まずに口をすすぐことはできます。煮沸すれば飲めますが、私の場合は身体に合わないことがあるので、飲料水を購入して飲むようにしていました。

準備しておけばよかったこと、持っていけばよかったものについて

・持っていけばよかったもの

 中国は完全にキャッシュレス社会なので現金を持つ必要はないと思い、渡航時には一銭も持って行かなかったのですが、食堂カードに最初のチャージをする際に現金が必要になったので、やっぱり100元札1枚くらいは持って行けば良かったなと思います。

 また、デビットカードは必ず持って行くべきです。このおかげで、現地のATMから、日本の口座の円を人民元で簡単に引き出すことができました。デビットカードのブランドは世界中のATMで使える大手ブランドであれば何でもいいと思います。

・やっておいてよかったこととしては

 渡航前にWechat (日本でいうLine/Line pay) とAlipay (日本でいうPaypay) にクレジットカードを紐付けし、使えるように設定しておいたことが良かったです。もし設定しておらず、現地ですぐに紐付けできなかったとしたら、何も買えないし地下鉄にも乗れない状況になっていたのでぞっとします。

 加えて、VPNの回線契約です。中国ではグレートファイアウォールと呼ばれるインターネット検閲規制があるため、VPNという回線契約を日本でしておかないと、LINE・Google・Instagram・Xなど日本で普段使っているサイトに接続できません。

留学を終えての感想

 今回こうして交換留学の機会を頂けたことを本当にありがたく思います。間違いなく私の人生で最も充実した期間でした。中国と日本の芸大生の作品には、同じアジアに属することもあって似ている部分も多いですが、異なっている部分も多々あります。現地学生の考え方の何が日本と似ていて、何が違うのかに日々触れることは、大きな刺激になりました。また、中央美術学院には韓国や欧米、アフリカから来た留学生も多く、中国文化に興味がある世界中の学生と交流する機会に恵まれました。バックグラウンドが大きく異なるそれぞれの意見が、中国というユニークな環境で互いに交じり合う経験は、何事にも代えがたい素晴らしいものでした。

 学部生の頃からぼんやりと「留学してみたい」という気持ちがあった私にとって、コロナ禍で停止していた中央美術学院との交換留学プログラムが再開したことは大変幸運なことでした。少しでも留学したいという気持ちがあるのであれば、早めからその意思を担当の先生などへ伝えておくことをお勧めします。

2024年度 中央美術学院/中国 森山 さくら

学部
大学院美術研究科

年度
2024

氏名/専攻
森山 さくら/美術専攻(日本画)

KCUA International Office.

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