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2025年度 ロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージック/イギリス 安原 添菜

学部
音楽学部 音楽学部・大学院音楽研究科

年度
2025

氏名/専攻
安原 添菜/声楽専攻

プロフィール

学年 音楽学部声楽専攻4回生
留学先 ロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージック/イギリス
留学先専攻 Vocal
留学期間 2025年9月~12月

留学行動記録

9月1日 日本出国
9月2日ロンドン到着/アパートの大家さんに挨拶・鍵受け渡し・入居
9月2~15日 ロンドン観光
9月15~19日 オリエンテーション、授業登録
9月22日授業開始
10月27~29日 定期演奏会(合唱)リハーサル
10月30、31日RCM 定期演奏会
12月2、3日RCM学内 声楽専攻Lieder Competition
12月4~12日ロンドン、オックスフォード観光
12月12日 学期終了
12月14日アパート退去/イギリス出国
12月15~19日旅行(パリ/ フランス)
12月19日フランス出国
12月20日日本帰国

授業や制作について

授業は、Royal College of Music(以下RCM) に希望を出していた履修希望や授業数より、遥かに多く学ばせて頂いています。基本的に、座学の授業は一切なく、毎日歌唱の指導を受けています。
日によって休講はありますが、固定の1週間のスケジュールは、
月曜日 Italian song 、Italian language
火曜日 Acting、English class、Repertoire Coaching
水曜日 choir、lesson、Master class聴講、Vocal&opera class
木曜日 German Lieder、German language、French language
金曜日 French song、Movement、lesson

それに加えて、後半は新たにSpeechのクラスが追加されました。Speechでは、英語の詩を声に出して読み、その際の感情表現や抑揚のつけ方について指導を受けます。また、イギリス英語の正しい発音も丁寧に教えていただきました。さらに、Movementのクラスは前半と担当の先生が変わり、毎回汗だくになるほど身体を動かす授業が行われました。社交ダンスのようなペアダンスにも取り組み、日本ではなかなか体験できないような貴重な授業内容でした。
あくまで、京都市立芸術大学の3回生および4回生前期に履修していた授業との比較にはなりますが、RCMの授業と京都市立芸術大学の授業の大きく異なる点としてまず挙げられるのは、歌唱に費やす時間、そして歌に触れる時間の多さです。
Acting、Movement、English(語学)の授業を除き、ほぼすべての授業において歌唱が行われていました。また、Italian、German、Frenchの授業では、それぞれの言語を母国語とする先生が実際に歌唱を聴きながら、正しい発音や言葉の表現、強調すべき言葉などを、生徒一人ひとりに合わせて丁寧に指導してくださいました。その国の言語を母語とする先生方から直接指導を受けられる点は、大きな違いであると感じました。
さらに、毎週の個人レッスンに加え、Repertoire Coachingとして、自身のレパートリーに応じた1対1の指導や、Master Coaching、Opera Coachingなど、さまざまな先生方と行う個人レッスンがありました。日本では通常、担当教員による週1回の個人レッスンが中心となりますが、RCMではそれに加えて、週に3〜4回、別の個人レッスンを受ける機会があるという点が大きな特徴でした。
そして、特に嬉しく感じた点は、毎週必ずMaster Classを聴講できる時間が設けられていたことです。受講できるのは大学院生やオペラスクール生に限られていましたが、それを聴講することで得られる学びは非常に大きなものでした。日本では、聴講するだけでも聴講料が必要であったり、毎週のように開催される機会が少なかったりするため、学内で無料かつ気軽に聴講できる環境は、とても素晴らしいと感じました。
二つ目に挙げられる点は、Actingの授業が毎週行われていたことです。京都市立芸術大学でも、3回生前期や3回生オペラ、4回生オペラを通して演技を学ぶ機会はありますが、RCMのActingの授業で特に印象的だったのは、既存の台本や物語に沿って演技を行うのではなく、先生から提示されたキーワードやテーマをもとに、自分たちでキャラクターやセリフを考え、オリジナルのストーリーを創作して演技を行う点でした。初めての試みであり、とても斬新で強く印象に残っています。
三つ目は、Movementの授業です。この授業は、京都市立芸術大学にはない内容だと感じました。主に身体を動かすことを目的とした授業で、音楽に合わせて踊ったり、先に述べたのように社交ダンスのようにペアでダンスをしたりしました。また、日によってはヨガのようなストレッチや、バレエを行うこともありました。実際に指導してくださったのは、オペラ公演などに出演されているバレエダンサーやコンテンポラリーダンサーの先生方でした。

授業やプロジェクトの成果発表などについて

10月30日、31日に学内定期演奏会が開催され、私は合唱メンバーとして参加しました。10月27日からは特別練習が始まり、オーケストラとの合同リハーサルも行われました。演奏曲目は、プーランク《Gloria》、そしてサミュエル・コールリッジ=テイラー《Meg Blane: A Rhapsody of the Sea》でした。
また、12月2日、3日には学内声楽専攻による「Lieder Competition」が開催され、ロンドンでの初めての演奏およびコンクール参加となりました。このコンクールは学部生・大学院生・オペラスクール生が参加できるもので、出場者は全てドイツリートによる12〜15分の自作プログラムを組み、演奏を行う形式でした。

現地での生活について

とにかく物価が高かったので(※渡航時のレートは1ポンド202~210円程度)。食事に関しては本当に大変でした。朝は早いので、お弁当は作らず、お昼は学食で食べていました。学生料金ですが、ランチで1食1,200円~1,500円はしました。自炊は夜のみしていました。スーパーで、野菜やお肉を買っていましたが、いつも購入後の金額に驚くばかりでした。お水も、イギリスの水道水は飲めるのですが、私は買ったボトルの水を飲んでいたので、お水を3本買っただけで600円はしていました。基本的に日本の2倍です。また、交通に関しては想像していたより便利です。電車も時間通りに来る事がほとんどですし、次の電車が5分置き事に来るので、助かります。しかし、突然起きるストライキで、電車が動かなくなったり、地下鉄が閉まっている時があるのでそれが厄介でした。またバスもかなり走っているのでとても便利でした。ただバスに関して困るのは、勝手に終点が変わったり、突然訳の分からないところで乗客が皆降ろされたりすることでした。ですが、とても困るということは特にありませんでしたし、人種差別も受けたことはありませんでした。基本的に、生活の中にアジア人はもちろん、多くの国籍の人達が生活をしているので、色んな人種がいることが当たり前なのかなと思いました。個人的に思うことは、イギリスでは歩行者が全く信号を守りません。よく事故現場を見ましたし、パトカーのサイレンの音がいつも鳴り響いていました。交通に関しては、日本に比べて、運転が荒い人が多かったり、バスもかなり走っている分、怖いなと感じることが多かったです。後は、美術館、博物館、教会、公園がとても多いです。本当に素晴らしいことは、これら全て無料で入ることです。学校近くにあるのはどれも有名な場所で、授業の空きコマや帰りにフラッと寄れるのが癒しでした。

日本で準備しておけばよかったこと、持っていけば(持っていって)よかったものなどあれば教えてください

風邪薬、胃薬、解熱剤などの常備薬です。海外では予期せぬ体調不良が起こることがあり、新しい環境に適応する過程で実際に体調を崩すこともありました。現地の薬局でも薬を購入することは可能ですが、日本の薬が手元にあることで得られる安心感は大きく、一人で生活する上でも、すぐに服用できる状態にしておくことは非常に重要だと感じました。
次に、作り置き用の保存容器(タッパー)を持参すると良いと感じました。外食費が非常に高いため、自炊をしていたのですが、毎日学校帰りに料理をすることが難しい場合も多く、一度に多めに調理して作り置きをしておくことが最も効率的な方法だったためです。
また、現金も少額で構わないので必ず持って行くべきだと感じました。海外では支払いの多くがクレジットカードやデビットカードで行われ、現金を使う機会は少ないですが、実際にカードが使えなくなったことが二度あり、その際に現金を所持していたことで大変助けられました。イギリスにはチップの習慣は基本的にありませんが、サービスが良いと感じた際にチップを渡したくなることもあり、小銭を持っていて良かったと感じる場面がありました。
さらに、黒の上下と黒靴などのフォーマルな服装は、いつでも演奏に対応できるよう必須だと感じました。加えて、私はパーティードレスも持参していましたが、実際にこれらすべてを使用する機会があり、持ってきて良かったと感じました。海外では演奏会を鑑賞する際などにもドレスコードが設けられている場合があり、フォーマルな服装が求められる場面は多いと感じました。

また、こちらに来て驚いたこととして、紙の楽譜を使っている学生がほとんどいないという点があります。ほぼ全員がiPadを使用しており、ピアニストも同様です。日本では紙の楽譜文化が大切にされている印象がありますが、こちらの環境を見て、私自身もiPadにしておけばよかったと感じました。紙の楽譜があって困ることはありませんが、荷物が重くなることや、さまざまな曲を勉強したい場合の利便性を考えると、iPadで十分対応できると実感しました。
最後に、携帯電話のストラップは持って行って良かったものの一つです。私は常に携帯電話を首から下げて使用していました。ロンドンの観光地や都市部ではスリが非常に多く、実際に学校の友人の中には、入学直後に盗難被害に遭った人もいました。そのため、携帯電話が常に身体から離れないようにする工夫として、ストラップの使用は必須であると感じました。                           

その他の今後の派遣留学生へ伝えたい注意事項など

応募前から渡航準備、そして留学中を通して振り返ってみても、特に「これが一番大変だった」と強く感じる出来事はありませんでした。
その理由として、事前に十分な情報収集を行い、余裕を持って準備を進めていたことや、留学先において生活環境および学習環境が整っていたことが挙げられます。
渡航前は、必要書類の準備や各種手続きを計画的に進めることで、大きなトラブルなく渡航することができました。また、留学中においても、生活面・学習面ともにサポート体制が整っており、不安を感じる場面はありましたが、その都度落ち着いて対応することができました。
アドバイスとしては、十分な情報収集を行うことが最も重要であると感じました。これまでに交換留学を経験された方々から話を聞いておくことや、学校に提出が必要な書類などについて、何事も早めに準備を進めておくことが大切だと思います。また、分からないことや不安な点があれば、遠慮せずに先生方に積極的に質問し、事前に確認しておくことが重要だと感じました。
私は以前から海外留学、特にイギリスで学ぶことに強い憧れを持っていました。そのため、この交換留学制度は、自分の目標を現実のものにするための非常に有意義な機会でした。この制度の良い点は、留学に必要な手続きや準備をすべて一から一人で行う必要がなく、所属大学と留学先の大学が連携しているため、安心して渡航・留学生活をスタートできることです。
初めての海外生活に不安を感じる方も多いと思いますが、交換留学制度にはサポート体制が整っており、挑戦しやすい環境が用意されています。少しでも海外で学ぶことに興味がある方には、ぜひ勇気を持って挑戦してほしいと思います。この経験は、音楽面だけでなく、人としても大きく成長できる貴重な機会になると感じました。

留学を終えての感想

留学生活を振り返ってみて、率直な感想は「とにかく楽しかった」という一言に尽きます。海外で初めて一人で生活することへの緊張感や不安もありましたが、それ以上に、毎日が新鮮で、見える景色や空気の違いを心地よく感じながら過ごすことができました。滞在期間を終える頃には、もう少しこの環境で生活していたかったと感じるほどでした。 この数か月間で、実技面の成長だけでなく、一人で生活し、自分で考え行動するという意味においても、人間として大きく成長できたと感じています。特に印象的だったのは、音楽や美術などの芸術が日常生活の中に自然に溢れていたこと、そしてそれらを心から愛している人々が多かったことです。
また、人々がとても優しく親切で、日常的に人と会話を交わし、新しい出会いに恵まれたことも、この留学生活をより豊かなものにしてくれました。人に尽くすことや、相手を褒めること、惜しみなくアドバイスを与える姿勢が日常の中にあり、そのような環境で過ごせたことに感謝の気持ちでいっぱいです。 そして、あちらで得た出会いは、これからも大切にしていきたいと考えています。この留学の機会を通して築くことができた人とのつながりや交流を、一生大切にし、将来またこの場所に戻り、再び関わりを持てるよう努力していきたいと考えています。この留学経験は、私にとってかけがえのない財産となりました。

2025年度 ロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージック/イギリス 安原 添菜

学部
音楽学部 音楽学部・大学院音楽研究科

年度
2025

氏名/専攻
安原 添菜/声楽専攻

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